アス 映画 ネタバレ。 【ネタバレ&内容&解説】ホラー映画『アス(原題:Us, 2019)』幸せな4人家族の前に現れた、全く同じ姿の邪悪な4人家族。家族に隠された恐ろしい過去の秘密。2019年大絶賛ホラー映画。

【無料あり】「アス」あらすじ・感想・考察。実はホラー映画じゃない!? 現代アメリカ社会を風刺した硬派なエンタメ!【後半ネタバレ】

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《text:宇野維正》 主人公一家を乗せたメルセデスEクラスのちょっと古いステーションワゴン(このクルマのチョイスだけで、彼らが比較的裕福なこと、でも父親はちょっと見栄っ張りなことがわかる)が、サマーバケーションを過ごすためカリフォルニア州サンタクルーズにある母親の実家が所有する別荘へと向かう。 カーステから流れるのは「I Got 5 On It」。 カリフォルニア州オークランド出身のルーニーズが1995年にリリースした、ベイエリアヒップホップのクラシック。 父親と母親の世代にとってはティーンの頃を思い出させる懐メロだ。 でも、子どもたちは言う。 「これってマリファナのことでしょ?」。 その通り。 友達が1パック10ドルで買ったマリファナ、それを半分分けてくれと5ドル札を手渡すときの決まり文句、それが「 I Got 5 On It」だ。 その「I Got 5 On It」は物語のクライマックスにも再登場。 そこでは、前作『ゲット・アウト』に続いてスコアを手がけたアベル・エイブルス(ちなみにジョーダン・ピールはスティーブン・スピルバーグから直々に「彼は君にとってのジョン・ウィリアムズになるから今後も一緒にやり続けた方がいい」とアドバイスされたという)の手によって、チョップド&スクリュードの流儀で曲のピッチが落とされた上にストリングスのおどろおどろしいアレンジが加えられて、まるで「もう一つの世界」の「I Got 5 On It」のように生まれ変わっている。 というわけで、本稿ではのテーマソング「I Got 5 On It」にあやかって5つのキーワードから、「 いまのところ傑作しか撮っていない男」 ジョーダン・ピールの最新作『アス』の世界を読み解いていきたい。 キーワード1:ハンズ・アクロス・アメリカ 1986年の過去シーンから始まる『アス』。 少女時代の主人公アデレードが見ているテレビの画面に映し出されているのがこれ。 1986年5月25日、「アメリカ国内の貧困層及びホームレスを救おう」というお題目で、 アメリカ中の人々が手に手を取って東海岸から西海岸までを一つに繋げたイベントだ。 前年のUSAフォー・アメリカ『ウィ・アー・ザ・ワールド』とライブエイドによって大規模チャリティーへの機運が高まっている中で生まれたイベントだったが、開催当時からその偽善性を指摘する声も多く、今ひとつ盛り上がりにかけた。 その結果が現在のアメリカ社会というのは笑えない冗談だ。 ジョーダン・ピールだけに。 キーワード2:「スリラー」のTシャツ 少女時代のアデレードが遊園地の射的で当てた景品が、 マイケル・ジャクソン「スリラー」のビデオのビジュアルがあしらわれたTシャツ。 アルバム『スリラー』がリリースされたのが1982年12月。 同作から7曲目のシングルとしてシングル「スリラー」がリリースされて、ミュージックビデオの歴史を変えた、あのジョン・ランディスによるビデオが初めてテレビで放送されたのが1983年12月。 つまり、 本作で描かれている1986年の時点で、「スリラー」Tシャツは「寂れた遊園地の射的の景品」になるほど余剰在庫を抱えていたということ。 ちなみに、ジョーダン・ピールが設立したモンキーポー・プロダクションのプロデューサーであるイアン・クーパーは「レッドの文化的な嗜好は1986年で止まったままだ」と重要な指摘をしている。 つまり、 まるで「スリラー」のビデオのゾンビのように「もう一つの世界」から現れた「もう一つの家族」のお揃いの真っ赤なコスチュームにはマイケルからの影響が? また、アデレード/レッドの長男ジェイソン/プルートーが、地上の世界で 『ジョーズ』のTシャツを着ていたのもなにやら意味深。 その暗示に気づいたとき、自分は心底ゾッとしましたね。 キーワード3:ウサギ オープニングクレジットのシーンから、こちらも意味深な存在として出てくる 膨大な数のウサギたち。 ジョーダン・ピールによると「子どもの頃からウサギが苦手だったんだ。 目が赤いのが怖くて」とのことで個人的な恐怖の象徴でもあるようだが、ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』でアリスを地下の世界に誘ったのも、キリスト教のイースター祭で卵を運んでくるのも、ウサギだ。 ここでは、それらに加えてもう一つ解釈を。 13世紀にイタリアの数学者レオナルド・フィボナッチが、今も数学界で用いられている「フィボナッチ数」を発見する際に解いたのが「ウサギの問題」。 以降、 欧米においてウサギは「無数に増えていく個体」の比喩となっている。 とすれば、 ウサギたちがいた場所が「もう一つの世界」であったことの意味はより深まるだろう。 キーワード4:80年代ホラー映画からの引用 ルーニーズの「I Got 5 On It」が初めて映画の劇中で使用されたのは『エルム街の悪夢』シリーズ。 長男ジェイソンが被っているお面/プルートーが被っているマスクのイメージの源流は 『13日の金曜日』シリーズ(そもそも名前がジェイソン!)。 80年代ホラークラシックへのオマージュが全編に散りばめられている『アス』。 ポスターのビジュアルなどで象徴的に用いられているのは、レッドが武器として手にしている 真鍮のハサミだ。 ハサミが凶器としてフィーチャーされた作品としてホラー映画ファンが最初に思い浮かべるのは、 トニー・メイラム監督の『バーニング』(1981年)だろう。 同作には登場キャラクターが文字通り 火だるま(=バーニング)になるショッキングなシーンもあって、そこも『アス』との共通点。 キーワード5:エレミヤ書11章11節 劇中、何度か重要なシーンに現れるホームレスのような謎の男と、その男が掲げた段ボールやその額に刻まれていた言葉。 あるいは、家の中のデジタル時計に表示されている「11:11」の数字。 それらが意味するのは、 旧約聖書の三大預言書の一つ、エレミヤ書の11章11節のことだ。 「 見よ。 私は彼らに災いを下す。 彼らはその災いから逃れることはできない。 彼らは私に向かって叫ぶだろうが、私は彼らに耳を貸さない」。 『アス』が描いているのは、いつか必ずやってくる、我々が逃れることのできない「災い」ということになる。 《text:宇野維正》.

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映画「アス 」ネタバレあらすじと結末・みんなの感想

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テレビでは、アメリカの飢餓を救うというCMが流れていました。 映像では、たくさんの人々が手をつなぎ、協力し合うことの美しさを表現しています。 (この映像が大きな伏線) アフリカ系アメリカ人の少女・アディことアデレードは両親と一緒に、サンタクルーズにある遊園地へ遊びに来ました。 マイケル・ジャクソンの曲スリラーにちなんだTシャツを、アディは買ってもらいます。 トイレで中座する母は、父・ラッセルにアディを見ておくように注意しましたが、父は射的に夢中でした。 アディはその隙に、遊園地の裏手の浜辺へ行きます。 途中、細くて若い男性が「エレミヤ書11章11節」と書いた札を持っていました。 浜辺には、『ビジョン・クエスト』という館が出ていました。 アディはその館に入りますが、暗くて見えにくい状態です。 その館は鏡がたくさんある、鏡の迷路でした。 館に入ってしばらくすると、アディは背後に自分と似たような少女の存在を感じます。 鏡かと思われたのですが、それはアディそっくりの少女でした。 アディは少女を見て、立ち尽くします…。 〔現在〕 大人になったアディは、夫・ゲイブ、娘のゾーラ、息子のジェイソンと仲良く暮らしています。 アディたちは、サンタクルーズにある別荘に行きました。 そこは、かつてアディの暮らしていた実家です。 …アディは幼少期のことを思い出します。 遊園地の館に入ったアディは、自分そっくりの少女を見て、ショックを受けました。 両親の目を離れて行動したのは、たった15分のことだったのですが、事件のPTSDで、アディはしばらくのあいだ、ことばをしゃべれない状態に陥っていました。 失語症です。 アディには、カウンセラーがつけられて、フォローされました…。 少女のころの恐ろしい思い出があるので、アディはサンタクルーズへ行くのが、少しおっくうです。 特に、館のあった浜辺に足を踏み入れるのは、アディは苦手でした。 夫のゲイブは楽しみにしており、ジョシュの家族もやってくるとアディに言いました。 ジョシュは白人の男性で、ジョシュとゲイブは家族ぐるみの付き合いをしています。 サンタクルーズの家に行ったアディたちは、滞在中の荷物を運びこみました。 家の中を片づけていたアディは、ジェイソンの姿が見えないので探します。 ジェイソンは戸棚の中に隠れていました。 ゲイブが小型クルーザーを買ってきます。 アディはまた、幼少期のことを思い出します。 遊園地でアディから目を離したことで、両親が帰りの車中で口論していました。 ショックを受けるアディは、母が父を責めるのを後部座席で見ていました。

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映画「アス/us」感想ネタバレあり解説 ゲットアウトより薄気味悪い、分身に襲われる家族の話。

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日本公開は先ですが、既にご覧になった方に向けて公開します。 未見の方は、どうぞ9月までお待ちください。 急いでブンブンの記事を読む必要はありません。 映画館で驚いてから、この記事に戻っていただければと思います。 ってことで、Filmarksやネタバレなし評では非常に描きづらかった、本作の構造について語っていきます。 とは言ってもアメリカ社会に対する皮肉に纏わる部分は町山智浩がしっかり語ってくれると思うので、ここではコメディにしか見えないのに背筋が凍ってしまう本作の怖さのルーツについて迫っていきます。 ネタバレなし感想は《》をご覧ください。 もくじ• 本作は、『ゲット・アウト』に引き続き顔芸映画であります。 冒頭、少女がミラーハウスに入り込む。 そこに映るドッペルゲンガーが目をかっぴらく場面は、おもわず笑ってしまいそうになります。 官能的な眼差し、そして攻撃すれば、ひらりと交わし、後ろ向きで歩いて襲いかかる様や車で轢こうとすれば、屋根に飛び乗り暴れる様を点で観測すれば思わず笑ってしまいます。 しかしながら、これがとてつもなく怖いのです。 何故、こんなにも滑稽なのに怖いのかと考えた際に、 「コントロールできぬ狂気と触れてしまう」恐ろしさに徹しているからだと感じた。 我々は、お笑い芸人のコントを観る。 そのコントで「ボケ」にあたる芸人は、狂人を演じ、そこにツッコミを入れるところで笑う。 それは、客席という絶対に安全な場所、内面は善人であるお笑い芸人に対する信頼があるからこそ笑いが生まれる。 コントで繰り広げられる光景が、もし貴方が偶然乗り合わせた電車内で起きたら? 何気なく入ったカフェで巻き起こったらどうなるか? きっと恐怖慄き笑いは生まれないであろう。 『アス』の素晴らしいところは、画面の外という安全な場所、そして『ゲット・アウト』で勝ち取った圧倒的観客との信頼関係が構築されているにも関わらず、観る者を当事者にまで引き摺り込み笑えなくさせていくところだ。 観客を恐怖のどん底に引き摺り込むギミックとして取り入れる『ボディ・スナッチャー』的事態の拡充がそれを存分に盛り上げてくれる。 多くの家侵入ものは、ミニマルな空間での恐怖に留まる。 ここで、ジョーダン・ピールのクラシカルながらも最先端な演出がキラリと光ります。 」と叫ぶ。 しかし、AIは誤解し、 N. ホラー映画あるあるの「電話をかけても通じない」を2010年代ライズさせた名シーン且つ強烈なブラックジョークになっています。 うさぎの描写について 『アス』では、うさぎが象徴的に使用されます。 冒頭、カゴに閉じ込められたうさぎを収めているのだが、これはどういう意味があるのだろうか? ブンブンは元うさぎ飼いだっただけに、ある考察が浮かんだ。 それは「内弁慶」だ。 うさぎというのは内弁慶で、家の中では強がっているのだが、たちまち外に出ると、鳥や犬に怯え、へっぴりごしになってしまうもの。 冒頭、沢山の檻が映し出される。 沢山の白兎の中にポツポツと黒うさぎがいて、檻の中で快適に暮らしている。 これは、まさしく富裕層で何不自由ない黒人家族を象徴している。 一度檻が開ければ、白うさぎという異端に取り囲まれていることに驚くことでしょう。 そして、うさぎはアグレッシブな生き物だ。 目の前に異性が、いれば時に同性であってもマウントを取るほど貪欲だ。 本作で描かれる、獰猛で勢いに任せて他者を乗っ取ろうとする様子をうさぎに象徴させているとも考えることができます。 最後に….

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